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「宇宙でニワトリの卵は上手く孵化しない。」そうです。

 遠い未来の話ですが、人間が宇宙空間や火星や月、他の惑星や衛星に移住することが計画されるかもしれません。そのとき、食べ物をどうするのか?という問題があります。無重力空間や地球より重力の小さい星で、作物の栽培や家畜の飼育を行って、食料を確保しなければなりません。これまで宇宙ステーションでは多くの実験が行われていて、植物の栽培や様々な生物の実験が行われてきました。


宇宙空間での食料供給は課題ですね。
宇宙空間での食料供給は課題ですね。

 宇宙空間での動物実験の中に、魚や両生類、鳥類の卵の孵化がありました。卵の孵化実験では、メダカの卵の孵化実験が有名だと思います。メダカは宇宙空間で孵化して、元気に泳いでいました。また、地球に帰還してもメダカの生態に異常は見られませんでした。宇宙で生まれたメダカは「宇宙メダカ」と呼ばれ、その子孫は様々な学校や博物館に配られました。メダカ以外でもカエルやニワトリの卵の孵化も試みられていました。カエルの場合、メダカと変わらず孵化も成功し、生態に異常はありませんでした。一方、ニワトリの卵は上手く孵化できなかったようです。

 

ニワトリの卵は重力に敏感です。

 

 宇宙飛行士の毛利さんの実験では、地上でニワトリが産んでから0日、7日、10日の卵を無重力状態で7日と3時間温めて、その後地球上に持ち帰り孵化を継続しました。その結果、産まれて直ぐに宇宙空間へ飛んだ0日の卵は10卵中1卵しか孵化しなかったそうです。一方、産まれたから7日と10日間陸上で温めた卵は、ほぼ全てが地球上に帰っても孵化しました。いったいどうしてなのでしょうか。

 

なぜ無重力ではニワトリの卵は孵らないのでしょうか?

 

 ニワトリを含め鳥類の卵は白身と黄身で出来ています。白身と黄身の比重には、わずかな差があります。白身の比重は1.040、黄身の比重は1.029です。黄身の方がやや軽いため、地球上では、卵の中で黄身が白身の上に位置しています。すると、黄身の上部にある胚盤(分化して個体になる部分)が卵殻に付着します。ニワトリの卵において、卵殻は卵を保護するだけではなく、酸素や殻に含まれるカルシウムなどを供給する役割を持っています。卵殻に胚盤が付着することで胚膜の血管系などが形成します。


 無重力状態になると、黄身の部分が卵の中央にじっとしてしまいます。そうすると、胚盤が卵殻に付着することができません。その結果、酸素やカルシウムなどの栄養を得ることができなくなってしまうようです。実際に宇宙でニワトリの卵を孵化させるためには、重力を意図的に与えるなどして動かさなければなりません。ニワトリの卵の場合、重力の変化に対して白身と黄身の動きが地上と異なるので、宇宙での成長を妨げてしまうのです。多分、ウズラも同様に宇宙では孵らないでしょう。実験器具には「遠心機」という遠心力を利用して、疑似重力を発生させる機器があるので、鳥類の卵の孵化はこのような機器が利用されるのかもしれません。

 

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