ヒメウズラの卵をご購入されたお客様から、嬉しい孵化のご報告を頂きました。今回のお客様は大変珍しい方法で孵化を行われました。それは、既に飼育しているメスのヒメウズラに托卵するという方法です。孵卵器を使わずに、ヒメウズラの孵化に成功しました。

孵卵器を使っても、必ず孵化が成功するわけではありません。
今回のお客様も、孵卵器を購入して卵の孵化を行った経験があるそうです。しかし、孵化は成功しなかったとのことです。孵卵器は、卵を孵化するために作られています。しかし、残念ながら孵卵器は完ぺきではありません。孵卵器を使えば、必ず卵が孵化するとは限らないのです。農業試験場で家禽ウズラの卵を使ったテストでは、孵卵器を使って人工的に孵化を行った場合、大体6割の卵が孵化すると報告がありました。卵が有精卵でない可能性も含めて、孵化率6割です。鳥の種類に関わらず、有精卵と無精卵は、外見から区別は不可能なので、仕方ありません。転卵を手動で行った場合、さらに孵化率が下がるでしょう。

ヒメウズラに托卵して、温めてもらいました。
孵卵器で孵化が成功しなかったので、お客様は飼育しているヒメウズラのメスに托卵しました。仮親のヒメウズラは、5歳の肝っ玉母さんで、抱卵しました。そして、最近1羽孵ったというご報告を頂きました。非常に珍しいケースだと思います。ほとんどのヒメウズラは、抱卵して卵を温めることはしません。その上、自分が産んだ卵ではなく、他のヒメウズラが産んだ卵です。その卵を抱卵した上、孵すまで温めるケースは、本当に珍しいことだと思います。

孵卵器を使わずに他の鳥に卵を托卵する方法
以前、十姉妹にヒメウズラの卵を托卵してヒナを孵したお客様がいらっしゃいました。自然界では、カッコウがモズ、コヨシキリ、オオヨシキリ、ホオジロ、アオジなどに托卵することは有名な話です。もっとも、托卵する鳥はカッコウ以外にもツツドリ、ジュウイチ、ホトトギスがいるようです。だから、ヒメウズラも卵を見て、「温めなくちゃ!」と思う個体がいるのかもしれません。今回ご報告を頂いたお客様はジャンボセキセイも飼育されていますが、ジャンボセキセイは、ヒメウズラの卵を温めなかったそうです。セキセイインコは発情期に卵を産んで、温めます。ジャンボセキセイも発情期にならないと卵を温めないのかもしれません。他の鳥を飼育されている方は、托卵することも孵化の一つの方法かもしれません。でも、一種の「賭け」かもしれません。ヒメウズラの場合、時々抱卵しますが、途中で止めてしまうことが多いようです。
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