暑い日が続いています。夏になると、食中毒のニュースを耳にすることがあります。食中毒は、大きく分けて細菌またはウイルスが原因です。ウイルスの場合、カキなどの二枚貝を食べた時に感染するノロウイルス、乳幼児に感染すると重篤な影響がでるロタウイルスなどがあります。細菌では大腸菌O157、サルモネラ菌、カンピロバクターなど代表的な原因菌です。今回、食中毒のお話をするのは、ニワトリ、ウズラ、アヒルなどの家禽は、その腸管に食中毒の原因菌であるカンピロバクターが棲息しているからです。
ニワトリやウズラは、カンピロバクターが居ても全く問題がありません。
カンピロバクターが家禽類の体内に居ても、病気になりません。ニワトリでは、筋肉組織や内臓にも付着しています。「ニワトリの肉は、生で食べてはいけない」とよく言われていますが、これは鶏肉でも、カンピロバクターが付着していることが原因です。時々「鶏の白肝」などというメニューが小さな居酒屋にありますが、食中毒になる可能性が約67%と非常に高いので、気を付けましょう。ただ感染確率67%は、微妙な数値で、3人のうち1人は感染しないので、「また食べたい」と思う方がいるそうです。かつて感染した友人の話では、カンピロバクターによる食中毒は、ウイルス性の食中毒よりも潜伏期間が長く、発症するとノロウイルス食中毒より苦しく長引くそうです。鶏肉やウズラ肉の生食は決してしないで下さい。
ヒメウズラやコリンウズラの糞にもカンピロバクターはいます。
ヒメウズラやコリンウズラにもカンピロバクターが、腸管にいます。腸管に居るという事は、糞にもカンピロバクターが付着している可能性があります。ペットシートを使って飼育されている方も、砂等を利用されている方も、糞を片付けるときには、手に付着しないように気を付けましょう。できれば、使い捨てのビニール手袋などを着けて、お掃除をしましょう。もし手に糞が付着してしまった場合、石鹸等で良く洗い、アルコール除菌スプレーを使って、消毒することをお勧めします。ウイルス性食中毒とは異なり、カンピロバクターが10-100個で感染が成立することはありません。しかし、気を付けることに越したことはありません。また、子供と一緒に世話をしているという方は、特に気を付けて下さい。また、コリンウズラとヒメウズラの卵にも、カンピロバクターが付着している可能性があります。市販の卵類は十分に殺菌されています。卵を拾ったときも、十分に手を洗い、アルコール消毒を心掛けましょう。
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