今回は、ペットとしてのヒメウズラ・コリンウズラではなく、日本の家禽ウズラのお話です。日本の家禽ウズラは、日本ウズラを元に卵の生産用に品種改良されました。非常に良く卵を産み、ヨーロッパやアメリカでも卵生産用に飼育されています。日本では食肉用に飼養されているウズラは非常に少なくなっています。日本でウズラといえば、即ウズラの卵を思い浮かべるほど、卵に特化されています。

愛知県がウズラの卵生産量日本一位です。
愛知県はウズラの卵生産量日本一で、約70%を生産しています。特に豊橋市で養鶉業(ようじゅんぎょう)が盛んで、ウズラ農家が集まっています。次いで埼玉県、群馬県が続いています。ウズラは比較的寒さに強いため、北海道でも養鶉業が行われ、「ウズラの卵プリン」で有名な「室蘭うずら園」があります。ただ、日本は鶏卵を良く食べて、ウズラの卵はあまり食べなくなってきました。鶏卵の場合、1年で1人約330個を消費しますが、ウズラの卵はたったの14個です。最近はウズラの卵の燻製などが製品化され、数多く出回っているので、多くなっているかもしれません。
豊橋市の養鶉農家が減少しています。
昭和50年代、豊橋市のウズラ農家は60戸以上ありました。しかし、2021年2月の時点で、7戸まで激減しました。ウズラの卵自体は、10個100円程度から130-140円まで値上がりしましたが、それ以上にエサ代や物流費などの原材料費が高騰しました。その結果、採算が合わず、廃業するウズラ農家が増えたそうです。また、後継者不足と新規参入が難しい点も、ウズラ農家減少に一役買っているようです。
一方、埼玉県や群馬県では、ウズラの卵の生産量が増加しています。2022年東京中央卸売市場では、「ウズラの卵」の年間総取引量が、前年比約32%増となっています。1位は埼玉県、2位は群馬県、3位は岩手県でした。愛知県のウズラの卵は、大阪卸売市場などに出荷されているのか、東京卸売市場のランキングには登場しませんでした。主に当社では扱っていませんが、家禽用のウズラも大変可愛い鳥です。是非、ウズラ農家には頑張って欲しいと思います。
新しいウズラの卵料理が求められています。
ウズラの卵の消費を向上させるため、愛知県や埼玉県ではウズラの卵を使った新しい料理レシピの開発を進めています。もっとも、卵なのでシンプルな料理しかできません。割って混ぜてしまうと、鶏卵と違いが無くなります。ウズラの卵の小ささを利用して、おにぎりやコロッケ、メンチカツの中に入れる料理や煮卵などが紹介されています。変わった食べ方ですと、ウズラの卵の酒粕漬けなどがありました。ただ、市販のウズラの卵の酒粕漬けは、中国のウズラの卵水煮を使っています。
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