暑すぎる夏が過ぎ、朝晩に秋の訪れを感じる日々となりました。猛暑が過ぎると、これまで鳴りを潜めていた蚊が沢山飛び回るようになりました。最近、蚊の殺虫剤にも多くの新製品が発売され、多くの方がその効果を実感していると思います。しかし、新製品の中には強力すぎる製品もあります。今回、私の経験から蚊用殺虫剤の使用について、注意点を挙げたいと思います。

とても便利な1プッシュタイプの殺虫剤の使用について
今回使用した殺虫剤は、アース製薬の「アース押すだけノーマット」シリーズです。1プッシュで殺虫剤が部屋に広がり、壁などに吸着して、壁に停まった蚊を殺虫する仕組みです。この殺虫剤は本当によく効き、蚊も部屋から居なくなります。殺虫成分はトランスフルトリンという化学物質でした。トランスフルトリンは、「犬、猫等に無害」とされています。動物実験の結果では、体重5kg当り2000mgの経口投与でも、犬猫の健康に影響が無かったそうです。一方、この殺虫剤の注意書きには「飲食物、食器、飼料、おもちゃ、観賞魚・小鳥などのペット類、観賞植物などにかからないようにすること。特に観賞魚・観賞エビ等の水槽や昆虫の飼育カゴがある部屋では使用しない。」とあります。その理由は、もう一つの動物実験の所見にあります。
「ただしトランスフェリンの単回・反復投与では肝臓・腎臓で毒性が認められています。」
つまり、1回ではなく何回も投与すると、肝臓と腎臓に影響が認められるということです。ウズラ類の中でもヒメウズラは、小鳥の仲間なので、この殺虫剤を使用するときは、部屋からケージを出しておきましょう。

孵化時やヒナの育成期には、絶対に殺虫剤の使用は避けましょう。
これら殺虫剤の使用を絶対に避けるべき時があります。それは、ヒメウズラ・コリンウズラの孵化を行っている時と孵ったヒナを育てている時です。多くの場合、殺虫剤の成分は水に溶けます。そのため、殺虫剤をまくと孵卵器内の水に多く溶けてしまいます。孵卵器内の水に溶けると、蒸発して常に卵が殺虫剤成分に触れている事になります。卵の孵化には良い影響は無いでしょう。
さらに孵ったヒナを育てている時も絶対に使用してはいけません。ヒナの健康に重大な影響があります。ヒナの体重は3g-6g程度です。動物実験で確認されている殺虫成分トランスフェリンの安全な量は1.2-2.4mgです。ところが、「押すだけノーマットスプレータイプ」は1プッシュで8mg以上放出されます。ヒナを育てている水入れに殺虫成分が入ってしまうと、確実に健康に被害が出てしまいます。私が育てていたヒナも結構弱ってしまいました。特にヒメウズラを育てている方は注意しましょう。同じような蚊用殺虫剤に、フマキラーの「押すだけベープスプレー」などがあります。また、蚊取り線香も常に殺虫成分が出ているので、ヒナにはとても危険な殺虫剤です。ご注意を。
Bình luận