当社で飼育しているヒメウズラの中の1ペアが抱卵し、ヒナを孵化させました。ヒメウズラは孵化に至るまで抱卵を続けることは珍しいので、意外に思いました。このペアは良く産卵をしていました。ところが、ある日から産卵を行わなくなりました。ケージの中に隠れ場所になる箱を置いてあるのですが、メスがよく箱に籠っていました。ヒメウズラは抱卵すると、よく箱の中に隠れるので「また抱卵している」と気が付きました。時折、ヒメウズラのペアが抱卵するのですが、多くの場合2―3日しか続きませんでした。4日目には、何もなかったかのようにエサを啄んだり、ケージ内を歩き回っていたりするメスの姿を見つけて、抱卵した卵を除いていました。鳥類の抱卵は本能的な行動です。むやみ卵を取り除いてしまうと、ヒメウズラのストレスになってしまうと思います。抱卵したメスは、そのままにしております。抱卵を途中放棄された卵は、残念ながら処分してしまいます。
親鳥は孵化したヒナの育児はしませんでした。
今回も抱卵を気まぐれに放棄すると思っていましたが、意外に続いていました。その結果、1羽ヒナが孵化しました。抱卵していた場所を確認してみたところ、孵化しなかった卵が2個ありました。今回の場合、ヒメウズラのメスは3個抱卵して、内1個が孵化したようです。写真は孵化したヒナです。しかし、親ヒメウズラは孵化したヒナの面倒を見ることはありませんでした。むしろ、「何これ?」みたいに突きまわしていました。卵を本能で温めても、親鳥としてヒナの面倒を見ることはありませんでした。親鳥としても、初めての孵化なので、孵化したヒナに驚いていたのかもしれません。ヒナの面倒を見るという本能は薄いのか、それとも親鳥としての自覚が無かったのか、わかりません。ヒナを別のヒナ用ケースに隔離したのですが、かなり弱っていたため、残念ながら助けることはできませんでした。
この後、抱卵はしなくなりました。
この後、自然孵化を成功させたヒメウズラのペアが抱卵することは、現在までありません。やはり抱卵は気まぐれに行うようです。それでも、しっかりと孵化できる有精卵であることが判明しました。そこは一安心です。今回のヒメウズラのペアは、白×白のペアでした。ヒメウズラの抱卵は、やはり安心できる隠れ場所が重要なようです。特に巣や巣材をケージに入れていませんでしたので、3個中1個しか孵化しなかったのでしょう。もっと巣がしっかりしていれば、3個とも孵化したことでしょう。巣があれば、親鳥として自覚も芽生えて、育児もしてくれるかもしれません。
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