今、ウズラの卵と言えば、紋様のある小さい卵です。日本のウズラが産卵して、市場に出荷されています。10個大体100円前後で、値段は昔からほとんど変わっていません。そのため、うずらを飼育する農家、養鶉業者(ようじゅんぎょうしゃ)が段々減ってきているそうです。エサや光熱費の値上げ、鳥インフルエンザ対策など、飼育経費は年々上昇しているため、経営が上手くいかないようです。このままでは、ウズラの卵も食べられなくなる日が来てしまうかもしれません。
鶏卵はブランド化で収益向上しました。
鶏卵の場合、育成方法や餌、品種などで差別化を図り、卵の値段も6個100円前後から400円を超える例まであります。実際に食してみても、高価な卵は味わいがあります。一方、鶏卵の外見は、ほとんど変わりません。一部アローカナや烏骨鶏などを除けば、白玉か赤玉です。養鶏業者はパックのラベルを工夫して、消費者に差別化をアピールし、売り上げを向上させているようです。
コリンウズラの卵は、真っ白で味も良いです。
コリンウズラの卵は、外見からしても日本ウズラの卵とは違います。紋様はなく、鶏卵の白玉のように白い卵です。大きさは日本ウズラとほぼ同じです。コリンウズラの卵なら、日本ウズラと差別化できて、ウズラの卵にもブランド卵ができると思います。ただし、残念ながらコリンウズラの卵には、季節があるようです。コリンウズラの原残地アメリカでは、3-6月が繁殖期とされて、野生のコリンウズラは大体この時期に卵を産みます。私が飼育した限り、日本では4月から9月まで卵を産むようです。しかし、飼育環境で年中卵を産むことがあるようです。例えば、アメリカのウズラ類の卵を売っているサイトでは、一年中コリンウズラの卵を売っています。何らかの飼育方法で、コリンウズラは一年中卵を産むようになるのかもしれません。または、一年中卵を産むようなった改良種がいるのでしょう。一年中卵を産んでくれるコリンウズラはがいないと、養鶉業は営めません。日本でコリンウズラを使って養鶉業を営むためには、アメリカの農家の知恵を借りる必要があるでしょう。
食肉としてのウズラ肉
日本では、うずら肉料理は一般的ではありません。一方、フランスでは日常的な食べ物で、普通に肉屋にウズラ肉は販売されています。日本でも、ウズラ肉はジビエ料理として一部のフランス料理店で出されています。しかし、ウズラ肉はニワトリの肉は言うに及ばず、カモ肉よりもマイナーな存在です。普通の肉屋に行っても、売っていることはないでしょう。その原因は、体が「小さい」点にあります。肉が少なく、食肉としての魅力が薄いのでしょう。この欠点を補うため、食肉用ウズラとして体が大きくなる並ウズラが育種されています。並ウズラは個体の重量が130g前後ですが、200gを超える品種も日本で育種されているようです。一方、アメリカでも育種されていて、ジャイアントコリンウズラは14-18oz(397 -510g)になります。鶏1羽が約2,2-3kgなので、大きなジャンボコリンウズラでも1/4以下となってしまいます。養鶉業としては、ウズラ肉は高級食材として出荷するしか道はないようです。フランスではより大きな品種が育成されていて、市場が確立しているので、大量出荷されて値段も手ごろのようです。味の方は、繊細で美味とのことです。日本でも一部通販が行われているので、試してみてはいかがでしょうか?
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