ニワトリはその卵や肉が食用とされ、全世界的に家禽として飼育されています。そのため、ニワトリの人工孵化は、鳥類の中で最も研究が行われてきました。もちろん、ウズラ類の研究も行われていますが、ニワトリの方が圧倒的に良く研究され、色々な事が分かっています。そこで、ニワトリと同じキジ科のウズラ類なら、その研究や観察結果が参考になると思いました。今回はニワトリの人工孵化に関する研究について、ご紹介したいと思います。少し難しい言葉も出てきますが、分かりやすい説明を心掛けます。

孵化過程での中止卵について
すべての受精卵が孵化するわけではありません。孵化率の良いニワトリ集団からの種卵でも、一定の割合で卵の中の胚(精子を受精した卵の事です。)が死亡してしまいます。胚の死亡率は通常、孵化開始から最初の数日(1-5日)が最も高いことが分かっています。この期間は、全ての器官や組織が胚の中で形成される時期です。この時に器官の形成が不完全または失敗が起きる可能性が高いということなのでしょう。
孵化開始5日以降の孵卵中期は、急激な発達が見られる時期です。通常は死亡率が非常に低く、この時期に中止卵になることはあまりありません。次に死亡率が高くなる時期は、孵る数日前の期間です。卵の中には様々な器官が出来上がり、卵を割って出るための準備をしている胎児がいます。この時、肺呼吸の開始や卵内で移動するなど、胎児はとても忙しい時期です。そのため、何かトラブルがあれば、胎児は死亡してしまいます。大体、初期死亡率は約20%、最終段階でも死亡率は8%前後とされています。
無精卵?それとも初期中止卵?
孵化しなかった卵に光を当てて検卵すると、影も何も見えず、透明な状態の例があります。これは孵化が始まらなかったという例です。そのため、このような卵は「無精卵」として判断される方も多いと思います。しかし、前にお話したように「初期中止卵」の可能性もあります。「無精卵」と「初期中止卵」を見分けるためには、殻を割って中を見る必要があります。中の黄身の表面に白い膜が広がっていれば、初期中止卵です。気になる方は、卵を割って黄身の様子を観察しましょう。
少しでも孵化率を上げるための、卵の取り扱い
ニワトリの卵の例ですが、次のことが推奨されています。
・湿った卵は孵卵器に入れてはいけない。
・輸送後は24時間待ってから、孵化器に入れる。
・通気口の空気から離れた所に卵を置く。
以上の三つです。養鶏場では、卵を薬品で消毒するので、卵が湿っている事もあるのでしょう。当社がお送りする卵は、薬品処理は行っておりません。しかし、輸送中の温度差から結露することもあると思います。念のため、卵が届いた時にティッシュペーパーなどで軽く乾拭きしてあげて下さい。
輸送後、直ちに孵卵器に入れたいと思われるかもしれません。しかし多くの農場や孵化の指針では、卵が輸送された場合、24時間正位置に置いて卵を休めることが推奨されています。卵の正位置は尖った方を下に向けた位置です。
孵卵器の中には、通気口の空気が直接卵に触れる機種もあります。かなり大型の機種なので、一般にはあまり販売されていないかもしれません。ただ、年々色々な孵卵器が販売されるようになっているので、念のためご注意ください。
フェリシモのもっちりヒメウズラポーチを使ったアニメーション第二話をアップロードしました。
前回、アップロードしたアニメーションの第二弾です。お楽しみいただけたら嬉しく思います。今回も3羽登場します。もっちりヒメウズラポーチは、あくまで作りものですが、ヒメウズラの雰囲気はよく出ています。ヒメウズラを飼いたいけれど、事情があって飼育できない方は、部屋に飾っておくのも良いかもしれません。本棚の本の隙間に顔を出したヒメウズラは可愛いですよね。それでもヒメウズラ・コリンウズラを飼育したい方、現在サマーセール中に付き、卵を1つ追加しております。是非、孵化にチャレンジしてみて下さい。
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