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執筆者の写真Hideki Kobayashi

ヒメウズラなどウズラ類の奇形が生まれることについて

 ヒメウズラ・コリンウズラだけでなく並ウズラやニワトリでも、孵化を行うと奇形のヒナが生まれることがあります。残念ながら、これを防ぐ手立てはありません。ほとんどの奇形は足に現れます。両足の長さが違う、足が広がったまま立てない、足の指の数が多い/少ない等です。これら奇形はある一定の確率で発生してしまいます。特に多い例は、開脚障害という足の腱に障害あるタイプです。専門用語では「ペローシス」と呼ばれています。自然界でも同様に生まれ、淘汰されています。人工孵化だから、ということが理由ではありません。また、近親交配などが原因でもありません。以前もご紹介しましたが、近親交配による遺伝的障害は「臓器などの器官の欠損」という形で出ることがほとんどです。


コリンウズラのヒナ

足に障害を出さないためには、何をすれば良いでしょうか?


 これからお話することは、科学的な根拠は全くありません。全て私の個人的な経験から得られた推察です。だから、「お話」という程度に読んで頂ければ、と思います。当社では、時々有精卵をチェックするために、自社で販売している卵の孵化を行っております。これまでの自社卵の孵化では、足に障害を持ったヒナは生まれたことはありません。しかし、他の所から購入したヒメウズラ・コリンウズラの有精卵から、足に奇形が出たことはありました。また、当社のお客様の中から、「足に奇形が出て、立てない子がいた」とご報告を受けたことがありました。つまり、卵の輸送が卵にストレスを与えていることが、奇形の原因の一つかもしれません。


 「奇形だから受精した時に決まっている」、確かに完全に遺伝的な要因で、奇形が生まれることがあります。しかし、前回のブログでご紹介したニワトリの例では、卵の孵化中に中止卵になることがあります。卵の孵化の過程で、いくつかの要因で、奇形や中止卵となることがあります。卵の内部の状態によって、その確率が高くなります。もちろん、転卵不足や高い/低い温度・湿度などが主な要因でしょう。しかし、もう一つ大きな要因があります。それは、卵の中にできる「気室」と呼ばれる空気の部屋です。ゆで卵を作ると、卵が凹んでできます。この凹みは、卵の中の空気が原因です。「気室」は孵化の最終過程で、卵の中のヒナが肺呼吸を開始するために必要な部分です。卵の輸送の過程で、卵内部の空気が拡散することが知られています。「気室」の空気が卵内に拡散してしまうと、ヒナの形が異形になることや空気が足りなくて中止卵となる危険があります。


輸送された卵は休めましょう。


 卵内部に拡散された空気は、卵を正位置で静置することで、一つにまとめることができます。大体24時間ほど静置すると、空気が正位置にまとまると言われています。ニワトリの卵でもウズラ類の卵でも、この静置が卵の輸送ストレスを軽減し、中止卵や奇形率を低下させると思われます。卵が届いた時は、直ぐに孵化を開始せず、正位置で卵を休めましょう。


フェリシモのもっちりヒメウズラポーチを使ったアニメ、第三話をアップロードしました。



 もっちりヒメウズラポーチのアニメ、第三弾です。もっちりヒメウズラポーチは、ポーチとしてはあまり物が入りません。ただ、ヒメウズラのぬいぐるみとしてはとても可愛らしく、非常によくできています。ヒメウズラ好きな方は、一度手にしてみるのも良いかもしれません。ヒメウズラの飼育ケージの横に置いておいても、可愛らしいと思います。ヒメウズラ・コリンウズラを実際に飼育したい方は、孵化に挑戦してみてはいかがでしょうか?現在サマーセール中に付き、卵を1つ追加しております。是非、孵化にチャレンジしてみて下さい。




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