ヒメウズラの強い絆を実験で証明した結果とは?
- Hideki Kobayashi

- 3月23日
- 読了時間: 3分
ヒメウズラと日本ウズラは同じウズラ類なので、同じような性格をしていると思われているかもしれません。一見、ヒメウズラは日本ウズラの小型種とも見えます。しかし、その生態には大きく異なる面もあります。ヒメウズラを飼育していて、日本ウズラも飼育しようかな?と思った方、またはその逆に日本ウズラを飼育していてヒメウズラも飼ってみようかなと思われた方は注意が必要です。今回のお話は、2016年に発表されたヒメウズラのペア形成とその行動に関する科学論文の内容に基づいています。

ヒメウズラは慎重にツガイになります。
ヒメウズラのオスとメスをそれぞれ異性とは接触せずに飼育した後、初めて異性と同居させるという実験が行われていました。同居1日目、初めて異性に触れたヒメウズラは、お互いに警戒して距離を取ったり、攻撃をしたりという行動を取っていました。その後、時間を置かず、仲良くなってお互いに羽繕いや寄り添い行動などをするそうです。羽繕いなどの行動が見られても、直ぐに交尾行動へ移らなかったとのことでした。この点は、日本ウズラとは異なる点です。日本ウズラは同様の実験を行うと、直ぐに交尾行動へと移りました。ただただ交尾行動を行う日本ウズラは、ウズラ本来の性質なのか、それとも家禽用に品種改良された結果なのか、わからないと考察されていました。
ヒメウズラは一夫一妻制です。
次の実験は、ツガイになったヒメウズラのペアに、メスのヒメウズラを同居させました。その結果、ツガイのオスは新たに同居したメスのヒメウズラを無視しました。さらに、オスは攻撃行動を取るようになったそうです。一夫多妻制とまではいかなくても、オスの本能のまま新たに加入したメスに接近するような行動は見られませんでした。ヒメウズラのペアは一夫一妻制で、オスは他のメスに見向きもしないということがわかります。もっとも、私の飼育経験では、複数羽でヒナのころから飼育すると、「2羽のメス、どっちも好き!」というオスもいました。ただ、3羽で飼育していると、2羽のメスの中で1羽が選ばれて、結局一夫一妻という形になりました。
ヒメウズラのツガイの絆は強固です。
ヒメウズラのツガイをオスとメス分けて、9から10週間飼育した後、オスはメスを覚えているのか?という実験も行われていました。その結果、ほとんどのオスは自分のツガイのメスを見極めて寄り添いや羽繕い行動を取ったそうです。2カ月以上も離れ離れになっても、オスは自分のツガイのメスを覚えていたことになります。ちなみに、日本ウズラで同じ離別再開実験を行うと、寄り添いなどの行動は見られず、いきなりオスがメスに交尾行動を行うようです。ただ、メスが覚えてなく好ましくないと判断した時は、再開交尾行動を回避するようになるそうです。
確かに、ヒメウズラのツガイはとても仲が良く、オスがメスを気遣うシーンが日常的に見られます。例えば、ヒメウズラの大好物、ミルワームをペアに与えると良く分かります。オスが真っ先にミルワームを咥えるのですが、飲み込むことはありません。地面に叩きつけてミルワームを弱らせた後、メスが食べるのを待ちます。または、ミルワームを見て見ぬふりをして、メスが食べるまで待ちます。自分も大好物なのに、我慢してメスに与える姿は健気の一言に尽きます。ヒメウズラは、ツガイで飼育すると、とても微笑ましい姿を見ることができます。可愛いヒメウズラを飼育してみませんか?
参考にした論文です。
Adkins-Regan, E. (2016). Pairing behavior of the monogamous king quail, Coturnix chinensis. Plos one, 11(6), e0155877.



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