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執筆者の写真Hideki Kobayashi

事故を防いで孵化したヒナを大切に育てましょう。

更新日:2023年4月7日


(動画)生まれたてのコリンウズラのヒナです。まだ孵卵器の中にいます。


 コリンウズラ・ヒメウズラをうまく孵化して、ヒナが生まれても、油断しないようにしましょう。ヒナが成鳥になるまで、事故死することがあります。特に生まれてから最初の2週間は注意が必要です。どのような点に注意が必要か、いくつかの事故例を紹介しながら、解説します。


事故例1:孵卵器から飼育ケージへ移す時の事故


ヒナが生まれた後、飼育ケージや飼育ケースに移す際、ヒナが逃げ出してしまうことがあります。ヒナが1羽なら、特に問題なく移すことができるでしょう。しかし、孵卵器を朝見てみた時に複数のヒナが生まれていることがあります。複数のヒナを飼育ケージに移す時、どうしてもヒナが逃げ出すことがあります。実際、逃げ出して落下事故や焦って強く掴んでしまい命を落とすこともあります。そこで、孵卵器の中に複数のヒナがいた場合、孵卵器全体を大きいビニール袋に入れて、ヒナが逃げ出しても確保できるようにしましょう。大きいダンボール箱でも良いのですが、ヒナは意外な行動をするので、注意が必要です。


事故例2:ヒヨコ電球と壁に挟まれる事故


 ヒヨコ電球は、ヒナの育成に必要な物です。しかし、ヒヨコ電球は構造上、壁に付けた方が安定します。すると、ヒヨコ電球と壁の間に袋小路ができます。ここにヒナが挟まって、事故死することがあります。「なんでココに入るのか」と思わず首をかしげます。しかしヒナは温度が高いと活発に行動するので、ヒヨコ電球の近くで動き回っている内に挟まってしまうのでしょう。大きな飼育ケースの中心にヒヨコ電球を吊るせば、事故は回避可能です。しかし、数羽程度では大きな飼育ケースを用意できないでしょう。袋小路に障害物を置いておくことをお勧めします。障害物は燃えたり、熱で変形したりしない素材を選びましょう。


事故例3:水入れに関わる事故


 ヒナの飼育時、エサ入れと水入れを飼育ケースに入れます。エサはウズラ用のエサであれば、問題はありません。気になる方は、少し細かくして挙げて下さい。この時、水入れは十分注意しましょう。ヒナが飼育ケース内を動き回って、水入れに入ってしまい、水浸しになることも珍しくありません。その結果、水入れの水がすぐに無くなってしまうこともあるでしょう。水切れを心配して、大きな水入れを用意すると、水入れの中で溺死することもあります。ヒナの水入れは、ペットボトルのキャップが丁度良いのですが、ひっくり返される事が時々あります。キャップの裏に両面テープを貼り、四角く切ったダンボールを貼り付けると、ひっくり返されることは無くなります。飲むヨーグルトなどに使われている大きなキャップとペットボトルのキャップを上手く使うことで、ヒナが水入れに入ることが無くなります。ヒナは次第に大きく成長するので、水入れに関係する事故も無くなることでしょう。ただし、ヒナが大きくなるにつれて、水を飲む量も増えるので、水切れに注意しましょう。


事故例4:停電による事故


 停電による事故死は、特に冬場に起こることがあります。近年、冬場に強風や降雪により、停電が起きることがあります。ヒヨコ電球もペットヒーターも停電では、機能しません。停電が長引くと、低体温症で事故死する可能性があります。停電の時は、使い捨てカイロや充電式電気カイロなどを用いて温めましょう。使い捨てカイロを用意しておくと、いろいろ便利ですが、突いて破ることもあるので、気を付けましょう。また、お湯を沸かすことが可能なら、湯たんぽも有効です。ただし、温度が高すぎることがあるので、注意しましょう。


 ヒメウズラもコリンウズラも2週間経てば、ヒナから若鳥の入口に成長します。それまでは、ヒナを強く掴まず、優しく包むように捕獲しましょう。特に生まれたてのヒナは、非常にデリケートな生き物です。やっと誕生した新しい命です。優しく取り扱うことを心掛けて下さい。





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