卵や卵型を使った美術品は、世界に数多くあります。中でも、インペリアル・イースター・エッグは、有名なロシアの至宝です。卵や卵型に鋳造した金属に絵を描いたり、装飾したりするイースター・エッグは、様々な職人や芸術家により製作されてきました。金細工師ファベルジェもまた、宝石装飾を施して金製の卵型の飾り物を制作していました。インペリアル・イースター・エッグは、1885年から1916年の期間にロマノフ朝ロシア皇帝アレクサンドル3世、ニコライ2世に納められたイースター・エッグ50個を指します。ロシア革命後、国有資産に組み込まれながら国外流出しました。収蔵先はロシアの次にアメリカに多いそうです。その希少性からオークションで1000万米国ドル(約11億円!)相当の値が付いたものもあるそうです。
エッグアートを自作する人が増えています。
卵型を元にして、絵を描いたり装飾を施したりするエッグアートが流行しています。インペリアル・イースター・エッグのような金や銀で殻を造り、宝石をちりばめることは、一般の人には難しいでしょう。エッグアートを制作する場合、プラスチックやレジンで制作した卵型に着色やラインストーンで装飾している方が多いでしょう。また、市販されているニワトリやウズラの卵に穴を開けて、中身を抜いて洗浄した卵殻を利用されている人もいます。さらに卵殻を割って、その破片をパッチワークのように貼り付けるデザインアートも制作されています。意外に多くの方がエッグアートを制作されています。
ヒメウズラの卵殻で、エッグアートを制作してみました。
今回、当社で販売しているヒメウズラの卵殻を使って、イースター・エッグを制作しました。イースター・エッグは4月17日復活祭の時期に飾られる、カラフルに着色された卵殻を指します。イースター・エッグは、生命の始まりや復活の象徴となっています。かつて、ゆで卵に食紅で染色したイースター・エッグを、イースターの日に食べる風習もあったそうです。食紅で染色する際、十字架の形の紙を貼って、十字架が浮き出るようにデザインされていました。そこで今回、この伝統的なイースターの風習に基づいて、赤地に十字架をモチーフとして、エッグアートを制作しました。
マニキュアを使って、ヒメウズラの卵の殻に着色します。
卵の殻はマニキュアを使うと、簡単に描画や着色が出来ます。ダイソーなどの百円ショップでも、多種多様なマニキュアが販売されています。最初に「はがせるテープ」を殻に十字に張りました。開けてある穴に針金を指して、赤のマニキュアで全体を染色しました。乾燥した後、テープをはがしてみるとテープの下も少し赤く染まっていました。十字の部分は白のマニキュアで着色しました。今回は下絵なので、はみ出た部分を修正しませんでしたが、マニキュアの重ね塗りなどで、ミスや間違いを修正することができます。マニキュアにも金色や銀色、光の当たり具合で色が変わって見えるマニキュアなどがあります。卵殻に絵を描くだけでも面白いエッグアートになるでしょう。下絵が乾いた上からトップコートを塗り、保護しました。ラインストーンを使う場合、トップコートで必ず保護して下さい。
ラインストーンで装飾を行いました。
下地の色に合わせて、ラインストーンを貼りました。今回使用したラインストーンは、スワロフスキー社の#2058のライトシャムとホワイトオパール(ss5)です。赤地にライトシャムを貼り、十字にはホワイトオパールを使いました。ss5よりも小さいss3も販売されているので、より細かい装飾も可能です。全てラインストーンを貼り付けると完成です。ホワイトオパールは約30粒、ライトシャムは約550粒使いました。穴の部分は、UVレジン等で埋めることが可能です。穴の部分は特に気にすることはありません。ラインストーンで保護が可能です。チェーンや紐を通すリングを入れても良いかもしれません。今回作ったエッグアートは、スイスの国旗にも似ていますね。色々な国の国旗をデザインしても面白いと思います。今回のエッグアートは白十字が無いと、イチゴのようにも見えます。もっとイチゴらしく見せる場合、ラインストーンを大きくする必要があります。ラインストーンが大きくなれば、キラキラした美しい作品となるでしょう。ポケモンやデジモンの卵を作品として作っても、面白いかもしれません。
ヒメウズラとコリンウズラの卵殻を販売しています。コリンウズラの卵は一回り大きいので、大きくキラキラしたラインストーンを使うと、より美しい作品となるでしょう。卵の殻を使うと軽くて丈夫な作品ができるので、アクセサリーにもなるでしょう。色々と工夫をすれば、綺麗なオリジナル作品ができると思います。
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