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執筆者の写真Hideki Kobayashi

家禽うずらとヒメウズラの研究

更新日:2023年4月7日


ナショナルバイオリソースプロジェクト

 ヒメウズラを飼育するとき、「ヒメウズラの飼い方」などという典型的なマニュアル本が無いことに気が付きませんか?確かにヒメウズラはマイナーな鳥です。その上、ペットと言えば犬猫が主流の現代では、セキセイインコやオカメインコの飼育本でさえ、あまり目にしなくなりました。ヒメウズラの飼育方法は、ネットで調べるしかありません。また、ネットの情報は個人の飼育経験によることが多く、例えば住んでいる地方によって、飼育方法は変わります。ヒメウズラは比較的丈夫で飼育が容易なので、あまり気にしない人も多いかと思います。それでも、長生きをして欲しく、楽しみに満ちた鳥生?を全うして欲しいと願っている飼い主さんが多いでしょう。そこでうずらやヒメウズラがどの程度、学問的に分かっているのか、調べてみました。トップの写真は、ナショナルバイオリソースプロジェクトのサイトです。ここからニワトリやうずらの研究で利用される色々な卵が手に入ります。残念ながら、研究者限定です。


うずらは一般的な鳥と比べて、変異しやすい鳥です。


 うずらは昔から家禽として飼育されていて、研究も進んでいる鳥です。ゲノム配列の決定も行われていて、科学的にも多くの事が分かっています。その中で、日本で家禽として飼育されているウズラは、変異しやすいことが分かってきました。ヒメウズラと比較しても、巻き毛のうずらがいたり、色々な色のうずらがいたりと外見上かなりバリエーションがあります。その結果、近親交配にとても弱いことが分かりました。このように変異しやすい形質から、食用に大きなうずらの育種が行われています。残念ながら、コリンウズラと比較すると元々の大きさが小さいので、少々分が悪いようです。研究の結果、卵を産み続けるうずらのメスは寿命が短く、卵も二歳を過ぎる頃には産まなくなるそうです。ペットとしてうずらを飼育している人は、メスにあまり卵を産ませない事が大切です。うずらは特にアンモニアに弱いので、ケージの清掃は


ヒメウズラも日本で研究が行われていました。


 元々、ヒメウズラの原生地は東南アジア辺りです。日本に生育していませんでした。しかし、なぜか日本で一時期、実験動物として研究が行われていたことがあります。ヒメウズラのライフサイクルが短く、小さなケージで飼育できるということが理由のようです。しかし、現在はあまり進められていないようです。その中で、ヒメウズラは家禽うずらと比較して遺伝的に安定であることが分かりました。ヒメウズラも近親交配に弱い鳥ですが、家禽うずらほどではないみたいです。また、卵を産み続けるメスはかなり弱くなり、2年未満で死んでしまう場合があるそうです。ヒメウズラを飼育すると、卵も楽しみではありますが、寿命が短くなることは少し悲しいですね。なお、メスに卵を全く産ませないことは不可能です。できるだけ産ませないためには、オスメスを一緒に飼わない、明かりをつける時間を減らすことです。ペアで飼育していた場合、メスに先立たれたオスは本当に寂しそうに鳴きます。気の毒なので、ペットとして飼育する場合、メスに気を使ってあげましょう。


 可愛いヒメウズラを大切に飼育し、楽しいヒメウズラライフを送ってください。




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