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東京湾がトロピカルな海に変わった理由

 以前、NHKの番組で「東京湾がトロピカルな海」に変化していると報道されていました。今に始まったことではありません。数年前から同様の報道がされています。テーブルサンゴや美しい色合いのスズメダイが東京湾で生息していました。そして、「ファインディング・ニモ」で有名なカクレクマノミの繁殖が確認され、南方の熱帯魚が東京湾に定着していることがわかりました。その結果、従来の魚介類はいなくなり、東京湾で漁業を営んでいる人たちが不漁で困っていました。多くの報道では、地球温暖化による海水温の上昇が原因とされていました。しかし、本当に地球温暖化が主な原因なのでしょうか?

 

京浜工業地帯や京葉工業地帯がある東京湾は、トロピカルな海になりつつあります。
京浜工業地帯や京葉工業地帯がある東京湾は、トロピカルな海になりつつあります。

一番の原因は、東京湾に流れ込む温排水です。

 

 地球温暖化による海水温上昇は、確固たる事実です。だから、魚を始めとした海の生き物が、生活場所を変えたとしても不思議ではありません。実際に、近年のサンマ回遊経路の変化や東北・道南におけるサケの不漁は、地球温暖化による海水温の上昇が原因とされています。しかし東京湾の海水温上昇は、もっと他の要因が影響しています。一番の原因は、工場や家庭から東京湾に流れ込む温排水です。トップ絵にあるように、東京湾で最も海水温が高い場所は千葉県側の京葉工業地帯です。この付近では、海面から海底まで高い水温となっています。一般に、地球温暖化による海水温上昇は海表面が強く影響を受け、水深が深くなるとあまり影響を受けない傾向にあります。一方、神奈川県側の京浜工業地帯では、千葉県側ほど高い水温となっていません。また、底部では海水温が低下しています。なぜでしょうか?

 

神奈川県と東京都では廃水基準に「温度」が設定されています。

 

 東京都神奈川県の排水基準では、有害化学物質濃度の他、温度が設定されています。東京都、神奈川県ともに45℃または40℃未満となっています。しかし千葉県では、排水基準に温度は設定されず、有害化学物質濃度のみとなっています。その結果、千葉県側の東京湾に高温の排水が流れ込み、海水温が上昇したと考えられます。また、房総半島の形から地形的にも外海へ流出しにくい点も挙げられます。特に東京湾の入り口付近では、千葉県側が浅くなっているので、放出された高温の排水が東京湾の入り口でも留まり、東京湾がトロピカルな海になっているのでしょう。東京湾のトロピカル化を防ぎ、漁業を守るため、千葉県の排水基準に「45℃未満」が設定されることが第一だと思います。

 

身近な海を見てみませんか?

 

 原因が工業廃水でも地球温暖化でも、海水温が上昇していることは間違いありません。その結果、海の生き物達の分布や数が変わってきています。一度、海面ではなく海の中を見てみませんか?海岸なら、水中ドローンを使って簡単に見に行くことができます。NHKの番組に登場していたダイバーでなくても、トロピカル化した東京湾を観察できるでしょう。また、録画することで映った魚たちの魚種も確認可能です。当社では、FIFISH V6などの最新水中ドローンをレンタルしております。是非ご利用下さい。

 

 
 
 

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