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超深海生物のお話


日本近海の超深海生物

 いつもウズラ類の飼育についてブログを書いていましたが、今回は超深海生物について書きたいと思います。今回、ウズラさんはお休みです。深海生物というと、リュウグウノツカイやダイオウイカなどを思い浮かべる人が多いかと思います。それらは、水深1000m前後の深海生物です。今回お話する深海生物は、水深8000m付近より深い所に棲む超深海生物のカイコウオオソコエビです。以前勤めていた海洋研究開発機構(JAMSTEC)と現在在籍している東洋大学で、研究している生物です。


カイコウオオソコエビは、日本でも捕獲できます。


 以前は、マリアナ海溝チャレンジャー海淵の最深部でカイコウオオソコエビを採取していました。しかし、水深8000mを超える超深海は伊豆小笠原海溝、日本海溝と日本列島の近くにも存在します。カイコウオオソコエビは、この日本の近くに位置する海溝にも生息しています。水深8000m付近以深の超深海の超高水圧に耐える非常に珍しい生物です。ちなみに水深10000mになると、手のひらにジャンボジェット機1機分乗った位の水圧となります。また、水温は約2℃、光は全く無い暗黒の世界です。そんな中でもカイコウオオソコエビは、元気に泳いで生活しています。


深海生物を捕獲することは、大変難しいことです。


 時々、海岸にリュウグウノツカイなその深海生物が打ち上げられることがあり、ニュースとなっています。しかし、実際に深海生物を捕獲することは、実は大変困難な事です。例えば、水深1000mの深海生物を底引き網で捕獲しようとすると、少なくとも1000mのロープが必要となります。しかも1000mの深い所から引き揚げることが可能な強度と底の引く船の推進力も必要です、また1kmにもなるロープをどのように船に積むのかなど、課題も山積みとなるでしょう。やはり、深海生物の捕獲には研究機関の船が必要となります。ちなみに、深海生物が何を餌にしているのか分からないので、釣ることは不可能です。光が届かない深海ではルアーも意味がありません。また、下手に光る釣り具を使うと、深海生物は逃げてしまうかもしれません。


カイコウオオソコエビは、捕獲が可能な超深海生物です。


 カイコウオオソコエビは、魚の切り身を食べるので、寄せ餌ワナで捕獲が出来ます。ただし、水深8000m以深にワナを設置して回収できる装置が必要です。水深8000mまでワナなどを落とすことは可能ですが、浮上させて回収することは難しいです。広い海で浮上してきた小さいワナを見つけることは、本当に困難です。JAMSTECの研究船なら容易ですが、公的機関の装備を一般の人は利用できません。しかし、日本には民間の「江戸っ子1号」があります。江戸っ子1号なら、カイコウオオソコエビの捕獲と経済的な利用が可能です。私の研究は、色々なサイトで紹介されています。カイコウオオソコエビがセルラーゼで流木などから栄養を摂っていること底泥を食べて、アルミニウムを抽出して、殻を守っていることなどを報告しています。興味のある方は、一読して下さい。


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