今回は、コリンウズラの故郷アメリカで行われている孵化方法についてご紹介します。コリンウズラは北米から中米に広く分布しています。ジョージア州とテネシー州では「州の狩猟鳥」に指定され、狩猟が許可されています。そのため、コリンウズラは狩猟のための「ゲームバード」として認知されています。近年、野生のコリンウズラの数が減少してしまい、人工孵化で数を増やし、放鳥しているようです。日本人の私から見ると、かなり残酷に思えるのですが、アメリカの狩猟文化なのでしょう。人工孵化を効率よく行うため、様々な方法が試され、一定の孵化方法が確立しているようです。今回はアメリカで一般的に行われている孵化方法についてご紹介します。
コリンウズラの卵を受け取った時
コリンウズラの卵を郵送や宅急便で受け取った場合、室温で24時間卵を直立させて保存します。卵は正位置、丸い方が上で尖った方を下にします。輸送で乱れた卵の中の空気を元の位置に戻すために、特に重要な最初のステップです。
ペットボトルキャップとティッシュを利用した卵の立て方(例)
孵卵器の準備
孵化を開始する前に孵卵器をテストして、設定が正確であることを確認しましょう。また、湿度計と温度計を孵卵器内の色々な位置で使用して、孵卵器全体で温度の精度を確認しましょう。設定温度と乖離している所は、卵を置かない、または障害物を置いて、卵が移動することを避けましょう。少なくとも1日はテストを行い、転卵が出来ているか、温度は一定に保たれているか、チェックしましょう。
孵化開始から21日目まで
コリンウズラの卵は通常24日で孵化します。卵が孵卵器に置かれた初日が午後の場合、0日としてカウントされ、2 日目は 1 日としてカウントされます。午前中の場合、初日が1日目としてカウントされます。通常の孵化法では湿度は45%付近に設定します。また乾燥孵化法では 35% に設定します。孵卵器の温度は 100°F (約37.8℃)に設定する必要があります。最初の 20日間は、3 ~ 4 時間ごとに転卵する必要があります。
21日目から孵化まで
21日目 以降、転卵する必要がなくなり、孵化の準備を行います。足が広がるリスクを大幅に軽減するため、余分な水分を吸収する新聞紙を敷き、その上にグリップシェルフライナー(食器棚等に敷く滑り止めマットの事)を敷くことを強くお勧めします.孵卵器に温水を追加して、湿度を 55~ 65% に上げます。孵化の準備をするときに、霧吹きで卵に軽く水を吹き付けることもできます。コリンウズラのヒナは早い場合、22日目に孵化を開始します。通常は24日目までに孵化を終了します。
孵化の際、卵が割れ始めた時の注意点
ひび割れた卵や部分的に孵化した卵の内側の薄い卵殻膜は、簡単に乾燥する可能性があります。孵化の過程スはヒナの重要な筋肉の発達に役立つため、ヒナが卵から抜け出すのを助けることはお勧めできません。ヒナが膜にくっついて孵化が完了していないように見える場合は、ぬるま湯を追加して湿度を上げます。孵化したヒナを取り出すときは、卵に温水を吹き付けて、卵自体の湿度を上げましょう。卵の殻から出てくる可能性が高くなります。卵の殻から出てくる時、手助けをすることはお勧めできません。卵から出てくる過程は、ヒナの筋力を鍛えるために必要です。生まれたヒナは乾燥した飼育ケージに移しましょう。
いかがでしょうか?アメリカで行われている孵化の一例です。先日、お話した乾式孵化法についても触れられていました。今回ご紹介した孵化方法では、乾式孵化法の湿度が35%に設定されていました。また、郵送された卵は、細い端を下にして、卵を立てて24時間置くことが推奨されています。画像で紹介させていただいたように、ペットボトルキャップとティッシュを使うと、簡単に立てられます。当方のみならず、ヤフオクなど様々なところからウズラ類やニワトリの卵をご購入された方は、是非お試しください。
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