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執筆者の写真Hideki Kobayashi

ペットショップから、ウズラとニワトリが居ないワケ

 現在のペットショップの多くは、犬と猫を主に販売しています。大きなペットショップなら、インコや十姉妹などの小鳥類、モルモット、ネズミ、ウサギなども販売されています。身近な鳥類でも、ニワトリやウズラをペットショップで見かけることはありません。ニワトリやウズラは人気が無いからでしょうか?食べられる卵を産むニワトリやウズラが、人気が無いとは思えません。なぜペットショップで販売されていないのでしょうか?


ヒヨコやウズラのヒナは普通に売られていました。
ヒヨコやウズラのヒナは普通に売られていました。

以前はホームセンターでも販売されていました。


 約10年前の話ですが、ニワトリやウズラ、合鴨などは、ヒヨコやヒナがホームセンターで販売されていました。特にヒヨコは白色レグホンだけでなく、名古屋コーチンや烏骨鶏、比内地鶏などのブランド品種もいました。価格はメスが二千円前後、オスが千円前後でした。50羽以上の大量のヒヨコやウズラのヒナの横には、それぞれのエサも20kgの大袋が販売されていました。その気になれば、養鶏場を作ることも可能だったかもしれません。しかし、ある時を境に、ホームセンターやペットショップからヒヨコもウズラも居なくなってしまいました。


販売が難しくなった動物


 ホームセンターでは、ニワトリやウズラ以外にもダチョウやミニブタも販売されていたことがありました。現在では、これらが販売されることは無いでしょう。その理由は、平成25年9月に施行された改正動物愛護管理法にあります。この法律では、動物の終生飼養の徹底が明記されています。


1)動物取扱業者の責務に、販売が困難になった動物の終生飼養を確保する


2)都道府県等は、終生飼養に反する理由による引取り(動物取扱業者から

の引取り、繰り返しての引取り、老齢や病気を理由とした引取り等)を拒

否できる。


 この2点により、家禽類の販売は商業的に難しくなりました。犬猫のように1匹10万円を超える動物なら、少数でも商業的に成立します。しかし、ヒヨコのように1羽千円から二千円の安価な動物では、数多く販売しないと商業的に成立しません。その結果、売れ残る危険性が非常に高くなります。当時、オスのヒヨコは売れ残り、若鳥と言っても差し支えない位、成長していました。法律施行前なら、売れ残ったヒヨコは都道府県が引き取り、県内の養鶏場などに再配布されたことでしょう。現在では鳥インフルエンザ感染のリスクから、不特定多数の人と接触したヒヨコを引き取る業者も皆無でしょう。


 当社でもコリンウズラやヒメウズラ、並ウズラの生体について、販売の有無のお問い合わせをいただくことがございます。残念ながら、当社では生体の取り扱いは行っておりません。一応、私個人は愛玩動物飼養管理士の資格を持っているので、申請を行えば販売は可能です。しかし、お問い合わせ数も2-3カ月に1度であり、ヒメウズラやコリンウズラの宅配便による配送はできません。そのため、生体の販売は行っておりません。生体の販売は、何度も孵化に挑戦して、失敗されている方からのご要望がほとんどです。卵の孵化に関しては、当社でも十分にアドバイスができます。「孵化がどうしてもうまく出来ない」とお悩みの方は、是非一度お問い合わせ下さい。


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