コリンウズラの孵化は、難しいと考えている方が多いと思います。第一に、鶏卵の孵化条件をそのまま利用されていることが原因の一つでしょう。コリンウズラの卵の孵化条件は、鶏卵とは違います。鶏卵の場合、37度に設定します。では、コリンウズラの卵の場合、何度に設定すれば良いでしょうか?日本には、あまり資料がありません。そこで、アメリカで行われている人工孵化の設定を調べてみました。アメリカでも、人によって設定は少しずつ違います。アメリカでは温度はF°(華氏)表記なので、日本で使われている℃(摂氏)に換算しております。そのため、小数表記が出てしまいました。
コリンウズラの卵の孵化は少し高い温度で行いましょう。
アメリカで行われているコリンウズラの人工孵化は、個人と畜産農家で行われています。そのため、強制循環型人工孵化器と密閉式人工孵化器の二種類に分けて孵化条件が記載されていました。強制循環型は孵卵器内の空気をファン等で循環させる方式です。多くの場合、畜産農家で大量の卵を孵化させる時に用いられています。個人が孵化させる場合は、ほとんどが密閉型でしょう。但し、中には生物学実験用のインキュベーターを用いる方も居るかもしれません。その場合は、強制循環型孵卵器と同様の条件で行って下さい。
密閉式の孵卵器を用いている場合、内部温度は38.9―39.4℃が主流の孵化温度です。湿度は50-60%が多いようです。この温度と湿度で、21日間転卵しながら温めます。22日以降は湿度を75-80%に上げて、転卵を止めて温めます。温度はそのままか、または37.8℃に下げる方法が紹介されていました。また21日-24日の間で、最低1回は、孵卵器内の水を交換した方が良いそうです。
強制循環型の孵卵器を使用する場合、内部温度は37.5-37.9℃が主流でした。湿度は密閉式と同じです。基本的に、強制循環型の孵卵器の方が、卵の孵化率は高いそうです。
密閉式も強制循環式も湿度は変わりません。一つ気を付けて欲しい点は、特に初期湿度を高くしない事です。水が枯れてしまうのではないかと孵卵器内の水を多めに加えてしまう人がいるかもしれません。しかし、初期に高い湿度で始めると、ほぼ全滅します。そのため、全く卵分割が起きず、「全て無精卵じゃないか!」と怒る方もいるようです。どうか、初期の湿度は上げ過ぎないようにして下さい。
より高い孵化率のために、購入した孵卵器はチェックしましょう。
最近、孵卵器は数多くの種類が販売されています。どの孵卵器を購入しても、先ず設定温度と湿度について、設定値と実測値の差を知っておきましょう。大体1000円から2000円で購入できます。また、スマートフォンと連携して、温度・湿度変化を記録することが出来る物も販売されています。是非、孵化を始める前にチェックして、購入した孵卵器の癖を調べておきましょう。安価な孵卵器の場合、機種よりも個体差が大きいと思います。
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