JAMSTEC海洋地球研究船「みらい」が退役します。
- Hideki Kobayashi

- 1月22日
- 読了時間: 3分
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用していた海洋地球研究船「みらい」が28年間の任務を終えて、令和7年12月に退役しました。「みらい」は、様々な任務に就いていました。JAMSTECと言うと、有人潜水艇「しんかい6500」や無人探査機「うらしま」による深海探索や「ちきゅう」による地球内部コアの採掘が有名です。「みらい」の任務は、あまり知られていないのですが、主に海洋観測でした。例えば、気象観測ブイの設置・回収が挙げられます。JAMSTECでは、赤道付近に係留型気象観測ブイ「トライトンブイ」(TRITON、TRIangle Trans-Ocean buory Network)を設置して、気象観測を行っていました。赤道付近の気象観測は、エルニーニョ・ラニーニャ現象、台風の発生等、日本の天候を大きく左右する情報を得るために必要でした。近年、人工衛星の観測技術等の発達から、トライトンブイによる観測は終了し、回収作業が進められてきました。実際、2021年6月14日に最後のトライトンブイを「みらい」が回収したことが発表され、23年に渡る観測網の運用が終了しました。

海洋地球観測船「みらい」の元は原子力船「むつ」です。
「原子力」というと、過敏に反応される方がいます。特に過去の日本では、原子爆弾投下の被害が大きく、原子力に対して忌避的な感情を持つ方が、現在より多かったことでしょう。実際、原子力船「むつ」が運航を開始した直後、中性子が漏れ出る事故が起きた時、大きく新聞やニュース番組で報道されました。事故直後、点検・修理のためにむつ港に入港しようとしましたが、地元の漁師に大反対され入港できませんでした。そのため、原子力船「むつ」は、洋上待機を余儀なくされました。「むつ」は、1992年(平成4年)2月にかけて全ての航海を終了しました。1993年(平成5年)5〜7月に使用済み核燃料が取り出され、1995年(平成7年)6月に原子炉室を撤去して、海洋研究開発機構の前身、海洋科学技術センターに引き渡されました。
「みらい」では、原子炉室が存在した場所は、大きな空間になっています。
一度だけ、「みらい」に乗船したことがあるのですが、非常に大きな船でした。そして、原子炉室が存在していた場所は「がらん」とした空間となって、名残がありました。もちろん、トライトンブイなどを複数設置するためには、広いスペースが必要です。それでも、海洋研究開発機構の「よこすか」や「かいれい」などは、アイデアを出し合って何とかスペースを確保しながら、実験装置などを置いていました。「みらい」ではスペースを気にせず、様々な機器が設置できる船でした。軽いカルチャーショックでした。
「みらい」を見に行く最後のチャンスです。
今週末、「みらい」の最後の一般公開が行われます。興味のある方は、お見逃しなく!個人的には、原子炉室の跡を是非見てもらいたいと思います。
一般公開は、令和8年(2026年)1月25日(日曜日)10時00分から15時00分(最終受付は14時00分)です。なお、荒天中止ですが、天気予報は晴れなので大丈夫でしょう。
一般公開が行われる場所は、横須賀新港ふ頭(横須賀市新港町)です。京浜急行横須賀中央駅から徒歩 約15分、またはJR横須賀駅から三笠循環バスで8分、「ポートマーケット前」下車、徒歩約3分となっています。駐車場は用意されないので、電車かバスで行きましょう。
なお、船舶一般公開会場内、いちご よこすかポートマーケット、東京九州フェリー横須賀ターミナルの3か所でスタンプラリーが実施されます。3か所周った方には、記念品がプレゼントされるそうです。「みらい」関連だと良いですね。



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