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執筆者の写真Hideki Kobayashi

コリンウズラと日本ウズラの違いは?

 日本ウズラ(並ウズラ)は、コリンウズラとよく似た外見をしています。ただし、日本ウズラは飼育する際に、飼養届を所定部署に提出する義務のある家禽です。一方、コリンウズラは単なる愛玩鳥として飼育が認められ、ペットとして飼育することも容易です。今回は、日本ウズラとコリンウズラの違いについて、取り上げてみました。


コリンウズラと日本ウズラの違い

 ヒメウズラや日本ウズラと違い、コリンウズラは産卵時期が決まっています。コリンウズラの故郷、北アメリカ大陸では5月から9月が産卵時期とされています。野生のコリンウズラは渡り鳥なので、産卵時期があるのでしょう。もちろん、野生のコリンウズラと飼育されているコリンウズラでは産卵の時期が変わります。多くの場合、野生のコリンウズラよりも長い間産卵します。私が飼育してきたコリンウズラの中には、1年中産卵する個体がいました。ただ、産卵数が多い個体は寿命が短いことが多いです。ペットとしてコリンウズラを飼育されている方は、あまり産卵させないように気を付けましょう。産卵はライトや日光が当たっている時間が長いと誘発されます。


コリンウズラの生態は日本ウズラと大きく異なります。


 名前に「ウズラ」と付いているため、コリンウズラは日本ウズラと同じような鳥と思う方も多いでしょう。しかし、コリンウズラと日本ウズラは大きく違います。日本ウズラは紋様が入った卵を産みますが、コリンウズラは白い卵を産みます。また、コリンウズラの孵化は23-24日かかりますが、日本ウズラの孵化日数は17日です。鳴き声もコリンウズラは「Bob White(ボブホワイト)」ですが、日本ウズラは「ご吉兆(ゴキッチョウ)」です。しかし、個体の外見はよく似ています。コリンウズラの方が日本ウズラより少しだけ大きく育ちますが、メスの個体はほとんど見分けが付きません。コリンウズラのオスは顔に特徴的な黒いラインが入るので、日本ウズラと見分けることができるでしょう。野生の日本ウズラは数が少なくなり、ほとんど見かけることはありません。一方、アメリカ大陸に住む野生のコリンウズラは、数が減りつつも多数生存しています。日本ウズラは家禽となって、卵生産に利用されていますが、コリンウズラはまだ狩猟対象となっています。


日本ウズラとコリンウズラは、生物的な種属が異なります。


 日本ウズラとコリンウズラを研究する科学者は、以前以下のような内容の論文を発表しています。


 ウズラは系統発生的に旧世界ウズラと新世界ウズラの 2グループに分けられます。 ニホンウズラ (Coturnix japonica) などの旧世界ウズラはキジ科に属し、旧北極地域 (ヨーロッパ、北アフリカ、アジア) に分布しています。一方、コリンウズラ (Colinus virginianus) などの新世界ウズラはオドントフォリ科に属します。新世界ウズラの生息域は北アメリカと南アメリカに限定されています。コリンズラとニホンウズラはどちらも、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインが推奨する鳥類の安全性評価のモデルとして使用されています。 しかし、コリンズラに関する生物学的研究はニホンウズラに比べて限られています。

他にも、新世界ウズラは足が短く、強力な脚力を持つことなどが知られています。コリンウズラの他に、カリフォルニアカンムリウズラなどが新世界ウズラに属します。新世界ウズラと旧世界ウズラの飼育上の違いはほとんどありません。生物学的な違いより、ウズラ自身の個性と育て方によって、性格や体格などが変わってきます。日本ウズラ飼育の煩わしさを感じる方は、是非コリンウズラの飼育をお考え下さい。


そろそろ、コリンウズラの産卵時期が終わります。お早めにお求め下さい。


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