イチゴの赤色はアントシアニンです。
- Hideki Kobayashi

- 11月28日
- 読了時間: 4分
イチゴを露地植えする場合、苗を植える時期は10-11月とされています。最近、地球温暖化の影響で秋が短くなったり、気温が上下したりと不安定となっています。そのため、イチゴの苗を植える時期もこれまでの慣例に従って良いのか、難しい時代となってしまいました。イチゴは赤い実を付けますが、この赤色はアントシアニンという化合物です。アントシアニンは色々な植物の色に関与しています。ブルーベリーはアントシアニンを含む果実として有名です。また、ナス、紫大根なども、アントシアニンを含みます。これら植物の色は、紫色です。しかしイチゴは赤色です。アントシアニンは紫色というイメージが強いので、鮮烈な赤色のイチゴは一見アントシアニンとは無関係に思えます。

アントシアニンは1種類の化合物ではありません。
アントシアニンは1種類の化合物ではなく、アントシアニンに特徴的な化学構造を持つ、多種多様な化合物群です。だから、紫色でなくてもアントシアニンが関係している植物が多いようです。また、1植物に含まれるアントシアニンも複数のアントシアニン化合物が含まれています。例えば、ブルーベリーに含まれているアントシアニン化合物は、ペラルゴニジンやシアニジン等計5種類が知られています。イチゴもシアニジン-3-モノグルコシド、ペラルゴニジン-3-モノガラクトシド、他計5種類のアントシアニン化合物が含まれています。異なる種類のアントシアニン化合物が含まれているため、イチゴとブルーベリーの色の違いが現れたのでしょう。ちなみに、アントシアニンは500種類以上の化合物があるそうです。
アントシアニンはpHで色が変わります。
アントシアニンは植物の実や葉、花や茎の赤系の色に関係しています。その色合いは、赤から青、紫と様々です。この色合いは、主にpHに依存しています。pHが酸性になると赤色に、中性からアルカリ性になると紫から青色になります。色調はアントシアニン化合物に依存しますが、色合いの傾向は変わりません。紫陽花の花の色もアントシアニンが決定しています。しかし、土のpHが酸性側だと紫陽花の花は青色になり、中性だと紫色、弱アルカリ性だと赤色になります。アントシアニンの色合いと紫陽花の花の色は、pHに対して全く逆の傾向を示しています。
紫陽花の花の色は、アルミニウムイオンと深い関係があります。土が酸性の場合、土からアルミニウムイオンが溶け出して、植物の根から吸収されます。吸収されたアルミニウムイオンは紫陽花のアントシアニンと結合して、青色になります。最近、野山に咲く紫陽花の花がほとんど青色であることに気が付いた方もいらっしゃると思います。ここ50年、日本は酸性雨が降っており、野山の土壌が酸性化している証拠と言っても良いでしょう。昔から紫陽花が青色の花を咲かせるのであれば、「紫」という漢字が名前に入らず「青」の漢字が入っていたことでしょう。
酸性雨の影響を緩和するアルミリムーバーをお試しください。
実は、アルミニウムイオンは植物の根に悪影響を与えることが知られています。ドイツの黒い森(シュヴァルツヴァルト)が枯れた原因の1つが、酸性雨の影響であることが知られています。当初、酸性雨の影響は木々が枯れた原因ではない、という研究結果が発表されていましたが、現在では酸性雨によるアルミニウムイオンの溶出も原因の1つとされています。日本では、元々石灰岩が土壌に多く含まれていたため、酸性雨によるアルミニウムイオンの溶出は問題視されていませんでした。しかし、石灰岩の効果も薄れ始め、徐々に酸性雨の影響が出始めています。
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