暑すぎる夏と、ヒメウズラの孵化
- Hideki Kobayashi
- 8月11日
- 読了時間: 3分
今年の夏は、本当に暑いです。場所によっては40℃近くまで気温が上がります。ここまで高い気温になると、空調が効いていない場所では鳥類の人工孵化の成功率が下がります。一般にウズラ類やニワトリを含めた鳥類の人工孵化は、卵を37-39℃の範囲で暖めます。39℃を超える時間が長いと、停止卵となって孵化が止まってしまいます。孵化は遺伝子の発現サイクルと細胞周期が一致していないと、止まってしまうため、高温は孵化に悪影響を与えます。孵化を行うときは、できるだけ空調に気を付けましょう。

一般に販売されている孵卵器は、温める機能だけあります。
Amazonなどで安価で販売されている孵卵器には、暖める機能しかありません。冷却機能は無いので、一旦孵卵器の中の温度が上がってしまうと、自然に温度が下がるまで何もできません。気温が30℃前後なら、何の問題もありません。しかし、気温が36℃を超えると孵卵器のヒーターが加温したとき、庫内の温度上昇が行き過ぎることがあります。気温が低ければ、直ぐに庫内温度も低下しますが、外気温が高いと庫内温度も低下しません。結果として、設定温度よりも孵卵器の庫内温度が高くなってしまうことがあります。
孵卵器の温度センサーの位置によって、設定温度を考慮する必要があります。温度センサーが庫内の上部に付いている場合、夏は通常通りで良いですが、冬はやや高めに設定しましょう。一方、温度センサーが庫内の下部、貯め水の近くにある場合、夏場は低めに、冬場は通常通り温度設定を行いましょう。暖かい空気は上部に溜まりやすいので、温度センサーが感知する温度と卵がある場所の温度が変わっている可能性があります。通常なら気にするほどではありません。ただ、暑すぎる夏や寒すぎる冬は考慮が必要でしょう。なお、使用する孵卵器の説明書に温度センサーの位置が記載されているので、チェックしておきましょう。
冷却機能が付いた恒温槽は大型で高価となってしまうので、一般に販売されていません。理化学機器となってしまうので、入手困難でしょう。
最近、お客様から頂いたご報告
最近、ヒメウズラの卵をご購入されたお客様から頂いたご報告です。中学生の方にヒメウズラの卵10個、ご購入いただきました。残念ながら、一つも孵化に至りませんでした。卵の中を検証した結果、2つは孵化が全く進まず、8つは孵化が進んだものの、中止卵だったとのことでした。2つは無精卵かもしれません。ただ孵化が進んだ8個は結構ばらつきがあり、孵化の直前まで進んだ卵もありました。孵化の進み具合にばらつきがあった事から、庫内温度に高い所と低い所が出来てしまったのだと思います。もう一つの可能性として、転卵が上手くいかなかった可能性もあります。
初めてヒメウズラの孵化に挑戦する方は、是非マニュアルをお読みください。
ヒメウズラの孵化に初めて挑戦する方は、是非一度マニュアルをご一読下さい。当ホームページの「ウズラ類の卵」にある「初めてヒメウズラ・コリンウズラの孵化に挑戦する方のために、マニュアルをご用意しました。こちらからダウンロードできます。」の下にあるボタンからダウンロードできます。
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