無精卵でも孵る?ヒメウズラの単為生殖
単為生殖とは、メスの卵子がオスの精子を受精することなく、無精卵から新しい子供が産まれることです。自然界の動植物の中には、無精卵から個体が産まれることがあります。有名な例は、ミツバチです。ミツバチの群れは女王バチと働きバチ、そしてオスバチで構成されています。この中で卵子が精子と受精して生まれる個体は、女王バチと働きバチです。ミツバチは受精により染色体が2倍体になると、メスが産まれます。働きバチが全てメスである理由は、2倍体の染色体を持っているからです。一方、オスバチはメスバチから単為生殖で生まれます。女王バチが持つ卵子が精子と受精しなかった未受精卵は、1倍体の染色体しか持っていません。その未受精卵が孵化すると、オスバチが産まれます。このような性決定は、「半倍数性」と呼ばれています。昆虫類や植物では、凄く珍しい例というわけでは無いようです。

ヒメウズラも単為生殖で産まれる可能性があります。
単為生殖は、高度に進化した動物ではあまり見られなくなります。ニワトリでは単為生殖の名残なのか、無精卵でも卵割を始める例があります。無精卵の卵割は約1%未満程度と非常に低い割合となっています。残念ながら、無精卵が卵割を始めても、全てが途中で停止卵となります。無精卵からヒナが産まれることはありません。
ヒメウズラの場合、約4,000 個の卵が肉眼で調べられ、そのうち4.8%の卵が単為生殖であることが調べられました。鳥類の中では、七面鳥と同程度の頻度のようです。無精卵が卵割を始めても、そのほとんどは停止卵となって、ヒナが孵ることはありません。しかしヒメウズラの場合、極めて稀にヒナが孵ることがあるそうです。非常に低い頻度なので、実際にお目にかかることはないでしょう。それでも、研究者たちは、ヒメウズラの単為生殖の可能性について、研究を進めています。単為生殖の方法が確立できれば、同じキジ科のニワトリに応用して、メスのニワトリだけを産ませることができるようになります。畜産業にとって、非常に有用な研究成果となるでしょう。
無精卵は外見から判別できません。
ヒメウズラが産む卵の中で、無精卵と有精卵を外見から見分けることはできません。有精卵と無精卵を判断するためには、卵を割って白い精子が入っているか否かを確認する必要があります。単為生殖でもヒナが産まれれば、本当に良いことだとお思います。ただ、高頻度の単為生殖のため、ヒメウズラの孵化率は低くなることがあります。実際に論文の中で行われた実験では、孵化率は30-40%と記載されていました。これまで、家禽ウズラを基準に考えておりましたが、家禽ウズラより孵化率は低いようです。
今回、参考にした文献は以下の通りです。
Parker, H. M., et al. "Selection for the parthenogenetic trait in Chinese Painted Quail (Coturnix chinensis) affects hatchability parameters." Poultry science 93.3 (2014): 664-672.
Parker, H. M., and C. D. McDaniel. "Parthenogenesis in unfertilized eggs of Coturnix chinensis, the Chinese painted quail, and the effect of egg clutch position on embryonic development." Poultry Science 88.4 (2009): 784-790.
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