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牡蠣の養殖が困難な時代になりました。

 先月、広島県で養殖牡蠣の大量死が報道されていました。そして、先日香川県でも養殖牡蠣の8割から9割が死滅したと報道されていました。香川県の漁協の一部では、水揚げ量がほぼゼロになった養殖業者もいたようです。広島県だけでなく、瀬戸内海全域で養殖牡蠣が深刻な状況に陥っているようです。瀬戸内海だけでではありません。愛媛県と九州との間の海、豊後水道に位置する愛媛県愛南でも養殖牡蠣の大量死が報道されていました。愛南町は愛媛県の2大牡蠣養殖地区の1つで、大量死に困惑しているそうです。また、徳島県内でも同様の被害が出ています。現在、出荷時期を迎えていますが、鳴門市のウチノ海や小松島市沿岸では水揚げしたカキの7―8割ほどが死滅していたケースもあったと報道されていました。瀬戸内海だけでなく、瀬戸内海につながる豊後水道、紀伊水道でも牡蠣の養殖は上手くいっていないようです。今回の養殖牡蠣の大量死については、まだ原因はわかっていません。

 

牡蠣の養殖の様子
牡蠣の養殖の様子

真鶴町でも牡蠣の養殖は上手く出来ていないようです。

 

 実は、当社がある真鶴町でも数年前から牡蠣の養殖にチャレンジしています。岩ガキ「鶴宝」というブランドで展開しています。ただ、令和5年5月の時点で、新規受注を停止しています。それ以降、出荷に関する発表はなく、令和7年も出荷していないようです。以前は、「鶴宝」ののぼりが街の所々で立て掛けてありましたが、もう見なくなりました。おそらく、出荷できるほどの生産が出来なかったのだと思います。

 

岩手県の養殖牡蠣は順調のようです。

 

 西日本や関東地方以外では、岩手県の山田湾で牡蠣の養殖が大々的に行われています。岩手県では大量死などの報道もなく、順調に出荷されているようです。ただ、同じ東北地方でも、宮城県の一部では牡蠣の7割が死んでいるという大量死の報道がありました。地球温暖化による海水温の上昇が原因の1つに挙げる研究者もいますが、宮城県と岩手県では海水温はあまり変わらないと思うのですが、どうでしょうか?

 

牡蠣は陸上養殖へと転換するのでしょうか?

 

 地球温暖化による海水温の上昇が、海面を使った養殖業に悪影響を与えるのであれば、陸上養殖という手法も有効なのかもしれません。陸上養殖は文字通り、陸上で養殖池を作って、その中で養殖する手法です。サケなどは、信州サーモンのように既に陸上養殖されています。また、トラフグもまた陸上養殖が行われています。牡蠣も陸上養殖を手掛けている会社があるようです。牡蠣では、海洋深層水を汲み上げて利用するという手法を取っています。環境変化に対応するのであれば、海水をろ過・循環して利用する循環式陸上養殖が理想ではあります。今後、牡蠣の大量死が続くようであれば、陸上養殖が増えるかもしれません。陸上養殖のメリットは、育成や水揚げを調節できること、将来的にEUなどに輸出できることです。デメリットはコストがかかることと土地が必要なこと、病気などが発生した場合全滅することです。水中ドローンで観察を行えば、病気に早く対応できるでしょう。

 

 
 
 

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