食べられるけど、人が食べない魚たち
- Hideki Kobayashi
- 10月2日
- 読了時間: 4分
水中ドローンで海や湖を探索していると、普段スーパーや魚屋では売られていない魚を見かけることがあります。もちろん、コバルトスズメなどの小型熱帯魚は、日本で食べる習慣はありません。また、サンゴ礁を生息地にする魚は、サンゴに網や釣り糸がかかってしまい、数多く捕獲することが難しく、漁業の対象種にはなりません。しかし、日本に定着している魚の中でも、私達が普段食べない魚がいます。このような魚は、釣り人が時々釣りあげて、家に持ち帰り、食べることがあります。ただ、釣り人が釣った魚は、その場所で釣れた魚の味です。魚の成熟度やその環境で何を食べているのかなどで、味が変わってきます。だから、釣り人が「美味しかった!」と言っても、同じ種類の魚が美味しいとは限りません。魚売り場に出て来ない魚は、身が薄くて食べる部位がほとんどない、太い小骨が多く食べられない、水っぽい等食感が悪いなどが理由でしょう。

タカノハダイとミギマキとヒダリマキ
トップ絵の真ん中に魚が1匹映っています。タカノハダイという魚です。この魚は時々、定置網や刺し網で捕獲されていました。しかし、現在では東京や神奈川など一部の地域でのみ流通している魚です。防波堤釣りや磯釣りでも、目的魚以外の魚(外道)として釣られることがあります。内臓に臭みがあり、冬場なら白身魚の切り身や干物として食べられているそうです。インターネットで検索すると、小田原や真鶴でタカノハダイの干物を購入したという記事が散見されます。私は真鶴在住ですが、食卓にタカノハダイが並んだことはありません。つまり、美味しい魚は他にもあるので、わざわざ難のあるタカノハダイを食べる必要はないという事でしょう。極まれに、珍しい地魚として観光客向けに販売されているのだと思います。
タカノハダイは、多少難があったとしても食べられる魚です。しかし、タカノハダイの仲間にミギマキという魚がいます。ミギマキはタカノハダイと同じように縞模様の入った魚です。最も特徴的な点は、尻尾の方まで縞模様が続いている点です。タカノハダイは、尻尾は水玉模様なので、見分けることができると思います。和歌山県では、タカノハダイを「ヒダリマキ」と呼んでいるそうです。残念ながらミギマキは磯臭く、身が薄いため、食べる部位がほとんどありません。そのため、ミギマキが市場に出回ることは無いでしょう。
ブラックバスは食べますか?
河口湖と言えば、バス釣りを真っ先に思い浮かぶ方も多いと思います。しかし、多くの方はキャッチ&リリースを心掛けているため、実際に持ち帰り、食べる方はほとんど居ないと思います。以前、芦ノ湖の湖畔でブラックバス定食やブラックバス丼をメニューに載せているレストランや食事処がありましたが、現在では数がかなり減っているみたいです。琵琶湖にはブラックバス天丼が売られているようですが、果たして何時まで販売されているのでしょうか?結論から言えば、ブラックバスは食べることができます。しかし、皮の部分に臭みがあるなど、下ごしらえが大変です。後、刺身は絶対に食べないようにしましょう。顎口虫という寄生虫がブラックバスの体内にいます。この顎口虫は、人間の胃も食い破るくらい危険な寄生虫です。
ウツボは食べることができるけど、食べにくく、脂がきつい
磯場を水中ドローンで探索すると、多くの場合ウツボに出会います。ウツボがスーパーや魚屋に並んでいることは無いでしょう。ウツボは磯場で釣りをしていると、時々釣れてしまう困った魚です。鋭い歯と力強い顎は、釣り針を外す過程で、とても危険です、ウツボは重量感があって、アナゴやウナギのような長い魚です。折角釣れて、危険を冒して釣り針から外したのだから、食べてみたいと思う方もいるかもしれません。しかし、ウツボを食べることは控えた方が良いでしょう。とにかく、ウツボは脂がきついのです。また、太い小骨も多く、食べにくい魚です。一口目は美味しく感じるかもしれませんが、二口目で後悔するでしょう。昔、漁師がウツボの油で暖を取っていたという嘘か誠かわからない話もあります。無人島にでも流されない限り、食べることは無いでしょう。
今、流通している魚は、食味、食感、安全などが人類の歴史を通して選別された結果です。逆に流通していない魚は、何かしらの難がある魚です。それでも、見るだけなら何の問題もありません。水中ドローンで見慣れない珍しい魚たちを見に行きませんか?当社では水中ドローンを格安でレンタルしております。
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