ヒメウズラは何℃まで耐えることができるのでしょうか?
- Hideki Kobayashi

- 8月3日
- 読了時間: 3分
暑い夏が続いています。酷暑日という新しい呼称が設定され、最高気温が40℃以上という暑い日も珍しくありません。人だけではありません。鳥類も暑い夏は苦手です。何せ保温のための羽毛が体を覆っているため、体温の上がり過ぎを調節することが苦手なのです。ただ、水鳥や水浴びをする鳥類は、気温上昇に対する対応策を持っています。しかし、水浴びをしない鳥にとっては、体温の調節は非常に難しいでしょう。ウズラ類やニワトリは、水浴びをしない鳥です。ヒメウズラもまた、水浴びをしません。そのため、夏の暑さには十分に気を付ける必要があります。ほんの3年前は、夏でもそれほど気を付ける必要は無かったのですが、ここ2年位から事情が変わってきました。

ウズラ類の体温調節は、飲水と汗の蒸発です。
水浴びをしないウズラ類は、体温調節のために水分を拡散させます。つまり、汗をかいて体温を下げるという方法です。人間も汗で体温調節を行っています。しかし、汗をかくことで体温を調節できる気温には、上限があります。ある気温を超えると、汗をかいても体温の調節ができなくなります。また、飲み水の水温が高いと飲水による冷却効果も低くなります。ウズラ類が上手く体温調節ができるように、水の供給には気を付けましょう。
ヒメウズラが飼育可能な温度
今回ご紹介する論文は、ソノラ砂漠に住むハト類(ナゲキバト、シロバト)とウズラ(ガンベルウズラ)の耐熱限界を調べた論文です。気温を上昇させて、何℃まで体温の急激が上昇を抑えられるのか、という基準で判断されています。その結果、ガンベルウズラはハト類よりも耐熱限界温度が低いことがわかりました。ガンベルウズラの耐熱限界は52℃、ナゲキバトは58℃、シロバトは60℃でした。
この論文ではヒメウズラのデータも紹介されていました。ヒメウズラを含むキジ目の鳥は48 ℃を超える気温に耐えられることは示されていないそうです。研究対象となったキジ目の最小種であるヒメウズラ(体重約40 g)は、45.2℃や44℃でも十分な耐暑性を示したそうです。ただ、48℃を超えると通常の飼育は困難と考えた方が良いようです。砂漠に生きるガンベルウズラでさえ、52℃が耐熱限界です。気温が36℃でも、直接日光が当たったり、風通しが悪かったりすると、飼育ケージ内の温度が気温以上になることがあります。夏は直射日光が当たらないように注意しましょう。
今回、ご紹介した論文は以下の論文です。
Smith, Eric Krabbe, et al. "Avian thermoregulation in the heat: resting metabolism, evaporative cooling and heat tolerance in Sonoran Desert doves and quail." Journal of Experimental Biology 218.22 (2015): 3636-3646.
この論文では、ハトの驚異的な耐熱性についても述べられていました。気温が60℃でも体温は46℃に保つことができたそうです。もちろん、砂漠に住む鳥なので、ガンベルウズラも耐熱性は高いのですが、それでも52℃が限界です。亜熱帯に住むヒメウズラは52℃に耐えられないでしょう。酷暑日には、十分に注意しましょう。


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