超深海性生物「カイコウオオソコエビ」について
- Hideki Kobayashi

- 6 日前
- 読了時間: 3分
水中ドローンが行ける深海は水深300mまでですが、深海には様々な生物が生息しています。今回は私が研究していた「カイコウオオソコエビ」について、少しお話ししたいと思います。カイコウオオソコエビは、世界最深部マリアナ海溝チャレンジャー海淵(かいえん)(水深約11,000m)を始め、水深7000mより深い超深海に生息するヨコエビの一種です。2014年の事ですが、ジョージ・キャメロン監督が潜水艦に乗って、マリアナ海溝チャレンジャー海淵、水深10,000mの海底まで冒険した時、「エビのような生き物がいた」と証言していました。このエビのような生き物がカイコウオオソコエビ、そのものです。

カイコウオオソコエビはカニよりもエビじゃない。
カイコウオオソコエビの事を、良く「深海のエビ」と耳にします。実は、カイコウオオソコ「エビ」は、ヨコエビの一種でエビではありません。ヨコエビは、「エビ」では無いのです。形がエビに似ているので、ついエビとして見てしまいますが、むしろ浜辺のフナ虫や磯場のワレカラという生物に近い生き物です。少し難しい話ですが、生物学的な分類では「端脚類(たんきゃくるい)」に入ります。良く写真を見てみると、体の端に足がついています。カイコウオオソコエビのカラをむくと、足も一緒に外れます。一方、クルマエビやバナメイエビはカラをむいても、足は残っています。クルマエビの網焼きやエビフライを作るとき、エビの下準備をすれば、足は身の薄膜についていることが分かります。これが、エビが分類されている「十脚類(じゅっきゃくるい)」と端脚類の違いです。カニ類も十脚類に分類されるため、カニはカイコウオオソコエビよりもエビに近い生物です。なので、カイコウオオソコエビはカニよりもエビではありません。
カイコウオオソコエビは、日本近海にもいます。
カイコウオオソコエビは、深海でも水深7000mを超える非常に深い海の底に生息しています。世界最深部のマリアナ海溝チャレンジャー海淵が有名ですが、実は日本近海に位置している日本海溝と伊豆・小笠原海溝も水深9000m以上の深海底があります。そこにも、カイコウオオソコエビが生息しています。もっとも近い所で、千葉県沖約300km南方にあります。マリアナ海溝チャレンジャー海淵がグアム島の近くなので、それと比較しても、非常に身近な地点であることが分かってもらえると思います。日本海溝や伊豆・小笠原海溝の深海底にもカイコウオオソコエビが生息しています。カイコウオオソコエビは寄せエサを使ったワナで、簡単に捕まえることができる珍しい深海生物です。また、非常にたくさん生息しているので、時間さえあれば必ず捕まえることができます。研究者ではなく、一般の人が手に取ることができる機会があるかもしれませんね。ちなみに、まだ食べた人は居ません。水中ドローンは有線なので、さすがに8,000mのケーブルは専用の巻き取り・巻き出し装置が必要となります。水中ドローンは、まだ深海には行けません。深海はやはり、地球上最後の秘境なのでしょう。
当社では、カイコウオオソコエビの標本をレンタルしております。
当社では、カイコウオオソコエビの樹脂包埋標本をレンタルしております。イベントや個人的な観察、教育等にご利用ください。ご希望の方は、メールにてご連絡ください。以前、国立科学博物館で開催された「深海展」で展示された標本と同等品です。ただ、「深海展」で展示された標本は、マリアナ海溝チャレンジャー海淵より採取したカイコウオオソコエビでしたが、当社でレンタルしている樹脂包埋標本は、伊豆小笠原海溝より採取しました。樹脂包埋標本以外にも御守りも販売しております。




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